◆Tax 社会保険料控除とは
社会保険料とは、国民年金や厚生年金といった公的な保険に係る保険料のことで、
自己(自分)及び自己と生計を一にする者(配偶者、子、老親など)への掛け金が控除の対象となります。
要するに、だれだれの社会保険料という括りではなく、
保険料を負担した人が社会保険料控除を受けられる権利を持つということです。
※アカの他人の保険料を払った場合、生計を一にしていないので控除なし。
単なるボランティア、社会保険料控除は受けられません。
社会保険料は、掛け金の全額が控除額
控除限度額のある生命保険、学資保険、個人年金、地震保険、旧長期損害保険、
控除対象にすらならないミニ保険などとは節税力が違います(2015年12月時点)
◆Tax 社会保険料に該当するもの
以下に挙げる物の掛け金が社会保険料控除に該当します。
社会保険控除の対象となるもの
1.給与から徴収されている社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険)
2.国民年金
3.国民年金基金
4.国民健康保険
5.後期高齢者医療保険
6.介護保険など
※
確定拠出年金(401k)は小規模企業共済等掛金控除であり、社会保険料控除ではありません。
民間の保険は生命保険料控除や地震保険料控除であり、社会保険料控除ではありません。
◆Tax 社会保険料控除の計算
単純な足し算となりますが、就職で国民年金から厚生年金になった場合。
前納がある場合、保険料の還付請求を行うこととなります。
この場合、還付される保険料額を社会保険料控除額から除外することとなります。
社会保険料は
その年(1月1日〜12月31日)の間に支払った額が控除額となります。
例えば滞納していた国民年金を3年分支払った場合、
3年分全額の保険料全額が支払った年度の社会保険料控除額となります。
※高額療養費 や 介護保険高額介護サービス費、高額医療・高額介護合算療養費制度からの支給は、
社会保険料控除と何ら関係ありません。
医療や介護費用が高額になった場合に支給されるもので、保険料の戻しではないためです。
※高額医療・高額介護合算療養費は医療費控除の対象外と説明されているサイトがありますが、
この支給額は、医療費控除から差し引く必要があります。
国税庁の医療費控除の説明文(保険金などで補填される金額)に、高額介護合算療養費が指定されています。
※2年前納においては、一括での社会保険料控除と分割での控除を選択出来ます。
◆Tax 社会保険料控除の計算例
1.給与から徴収された社会保険料 250,001円
(内訳:健康保険 120,000円、介護保険 1円、厚生年金 120,000円、雇用保険 10,000円)
2.子供の国民年金 150,000円。
3.親の後期高齢者医療保険 100,000円。
4.親の介護保険 30,000円。
5.子供が就職し
国民年金の内 75,000円が戻ることとなったが、
還付請求をしていない(翌年、平成28年に請求予定)
この場合、250,001円 + 150,000円 + 100,000円 + 30,000円 - 75,000円
=
455,001円が社会保険料控除額となります。
※子供、親は生計を一にするものとしています。
各保険料は適当な数字を入れたものです。
◆Tax 社会保険料控除に関するあれこれ
上記の計算方法を見るとおかしいと感じられるかも知れません。
理由は、社会保険料控除額に算入される保険料が1月1日〜12月31日の間に支払った金額のためです。
1.平成27年に平成28年分の社会保険料を前納していた場合、それは平成27年分の社会保険料控除額。
2.平成27年に平成25年分の社会保険料を払っても同じように平成27年分の社会保険料控除額となります。
平成28年に請求した分は、平成28年の社会保険料に反映させないと理屈が合わない。
まあ、支払いと戻りは違うって事なのでしょう。
※国民年金の前納還付請求による計算問題の解答はネット上にある税務署回答の噂です。
参考条文などが不明確のため、この判断をする際には税務署など、信頼できる機関へお問い合わせください。
一応ですが、屁理屈的に説明する事はできます。
平成27年に国民年金2年前納を行い、2年分の社会保険料控除の恩恵を受ける。
しかし、平成27年中に還付となる事由が起きてしまった。
そして、平成28年に還付請求を行い還付を受け取って退職。
その後、社会保険料を一切払わなかった場合。
平成28年中の保険料が、支払保険料 < 還付保険料……
こうなってしまうと、ちょっと問題があります。
年末調整前に国民年金の還付を受けた場合は、支払額−還付額の社会保険料控除で年末調整。
年末調整後に還付を受けた場合は、確定申告で還付額を調整して申告。
確定申告後に還付を受けた場合は、修正申告で還付額を調整して申告。
前納還付請求があった場合、上記のように対応せよとのことです。
通知書と支払い金額が合わない。
Q.平成27年度の後期高齢者医療保険 や 介護保険の決定通知書の金額とその年に支払った金額が合わない。
A.これは、合わなくて当然です。
後期高齢者医療保険料(4月〜翌年3月までの保険料)の場合。
特別徴収(年金):4月、6月、8月、10月、12月、翌年2月の6回徴収。
普通徴収:7月から翌年の3月までの9回徴収。
要するに平成27年度と書かれていても、1月1日〜12月31日という期間を意味している訳ではありません。
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はじめての年末調整